HUB’sでは、令和元年~2年度農林水産省補助金事業において、NPO法人しが障害者就労支援センターとの共同で農家と福祉施設のマッチングをコーディネートする人材育成を目的とした事業を実施しました。
農水省補助金について
https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/kourei/kourei.html
事業の概要について
【研修等の開催】
新型コロナ感染症蔓延のため、当初予定をしていた集合形式による開催内容を変更し、規模を縮小した少人数のミニ勉強会を屋外で開催しました。
【オンラインによる動画配信】
新型コロナ感染症へのリスク対策として、オンラインによる学習動画の配信を企画し、施設外就労のマッチングに向けた農業技術やコーディネートのノウハウ動画の配信を実施しました。
事業実施の工夫について
福祉職員はコロナ感染予防のため対外的な行事への参加自粛があることや、平時においても支援現場を持つ職員は日中業務が忙しく、研修に参加して学ぶ機会において課題があります。そこで、好きな時間や空いた時間に何度も繰り返し見ることが出来るよう、スマートフォンで気軽に見て学べる動画を制作しました。
事業実施の手法について
新型コロナ感染症の拡大状況において実施できる内容を検討し、コロナ渦における手法ではなく、今後も持続的に効果が得られる企画として実施しました。
1.福祉施設の農業導入や拡大のきっかけとなる動画を撮影
農業を中心とする事業を展開する就労継続支援B型のNPO法人縁活おもやに協力をいただき、障害者が「農家」となって農作業をする一日の流れや、六次産業化で運営される事業の内容について収録しました。
2.マッチングコーディネートに必要なスキルについて解説動画を撮影
数々の農家と福祉施設のマッチングコーディネートの実績があるJAこうかの松山さんに協力をいただき、実際の現場における作業例の解説を交え、コーディネートに必要なスキルやマッチングの好事例や失敗例、課題となることなどについての講義を収録しました。
3.障害者の農業現場における作業工程の調査分析および実際の作業について動画を撮影
障害者との農作業現場において就労支援の経験がある方に協力をいただき、障害者が得意とする農作業工程の調査分析を実施し、その作業の実際を収録しました。
4.障害者在宅ワーカーによる動画編集作業の実施
30名以上の障害者在宅ワーカーが登録するHASH合同会社に協力をいただき、収録した動画編集を実施しました。HASHのコーディネートで障害者在宅ワーカーチームが分担して作業を実施し動画を制作しました。
5.オンライン動画の配信およびPR
HUB’sのWEBサイトに農福連携マッチング動画のページを設置し、オンラインによる動画配信を開始しました。また、HASH合同会社の障害者在宅ワーカーに依頼し動画配信をPRするチラシ制作し、滋賀県農政課が開催した勉強会などで配布しました。
【動画配信PRチラシ PDFデータ】
今後の課題について
農福連携マッチング動画サイトの公開により、潜在的にいらっしゃる施設外就労コーディネーター(候補)の掘り起こしにつながると考えます。今後は、本事業において農福連携のきっかけを得た人材に対し、情報交換など交流の機会をつくり、コーディネートスキル向上やノウハウ共有によってレベルアップを図っていく事が課題となります。
事業実施主体の特定非営利活動法人しが障害者就労支援センターについて
滋賀県在住の精神障害者に対し、福祉施設運営等の活動を通して保健・医療・福祉の増進を図り、精神障害者の就労支援および精神保健福祉の向上に寄与することを目的とする法人です。平成28年度農林水産省都市農業機能発揮対策事業(福祉農園整備事業)においても農福連携の推進に取り組むなど、農業分野における障害者の就労促進を図っています。
【所在地】滋賀県大津市今堅田三丁目25番22号
【代表者】秋田悦雄
撮影協力をいただいた特定非営利活動法人縁活おもやについて
農業を主体的に取り組み、都市化がすすむ栗東市において農地の保全、自然栽培農業による安心安全な農作物の栽培を実践する、就労継続支援B型の福祉施設です。併設するオモヤキッチンにおいて収穫した野菜を使ったランチ提供をするなど、六次産業化にも積極的に取り組んでいます。
https://enkatsu.or.jp/
動画編集作業の協力をいただいたHASH合同会社について
働きづらさを抱える人に対し、ITとリモートワークを活用しながらそれぞれのスキルに応じた仕事を遂行できるようにサポートし、居場所と仕事創出の実践をしている企業です。現在、全国に30名以上の在宅ワーカーがHASH事業にエントリーし、4名のディレクターが作業コーディネートにかかわっています。
https://hashgk.com/